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2005
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サッカーは日常の中に
ミステリーの中でも、探偵が現場に出ないで事件を解き明かす作品がある。安楽椅子探偵とか言われている。イギリス人のジョセフィン・テイが書いた「時の娘」もその一つである。 犯人を追いかけている最中に蓋があいていたマンホールに落っこちて骨折してしまった警部(労災だ(笑))は入院させられ退屈で仕方ない。周囲の助言で、イギリス史の常識をくつがえそうと、リチャード三世が本当に甥を殺した悪人かどうか、調べ始める。
で、この本をかな〜り昔に読んだのだが、「亭主はヨーク家を、かみさんはランカスター家を応援したためである。つまり、フットボールの試合とたいしてちがいはないのである。ヨーク家を支持しようがランカスター家を支持しようが、誰にも叱られない。アーセナル・チームを支持しようがチェルシー・チームを支持しようがそれぞれの勝手であるのと同じだったからだ」というくだりがある。この作品は1951年のものだが、サッカーが日常の会話なんだと思いながら読んでいた。もっとも読んだ時は全然わからず、「ねー、アーセナルとかチェルシーって、巨人や阪神みたいな感じ〜?」と妹に聞いた記憶がある(その後、妹と友人は、アーセナル対マンUを生観戦することになったのだが)。
表紙は、悪人とされたリチャード三世の肖像がである。ロンドンのナショナル・ギャラリーの隣にあるナショナル・ポートレート・ギャラリーで確認してきた。ミステリーが好きで、歴史、特にイギリスのばら戦争が好きな人にはお勧め。絶版になっていなかったので安心した。
Amazon・時の娘
2005/01/27 (Thu.)11:52 Trackback() Comment(0) 未整理で混在中
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